会社概要
まずはホームページを見てみましょう。
「マイタケ」や「エリンギ」、「ブナシメジ」などが売ってます。
この会社最初は太もやしの大量生産で伸びた会社です。ちょっと前に「はなわ」さんが「雪国もやし」というCMしてましたよね(私は長いことTVを見てないので最近やっているのかはわからないのですが)。もともともやしの会社だったのですが、競合の参入と価格競争でもやしの栽培を諦め、世界初の「まいたけ」の大量生産に成功します。そこで勃発したのが上信越きのこ戦争です。
一時期猛烈な勢いで伸びできた「ホクト」です。ここでも苦戦を強いられ、原点であるもやしに活路を見出したということです。ホームページになかったのでもう辞めてしまったのですかね?
昔、きのこの栽培をしていたことがあるのでちょっとだけお話します。その当時のエピソードはまた別の機会で話すかもしれません。
きのこはカビの仲間です。しかし、カビと大きく違うのはきのこを作るかどうかです。キノコの本体は木などの中で菌糸を回し、子孫を残すためにその一部からキノコを発生させ、胞子を飛ばすのが特徴です。
きのこは基本的には主に下の3種類に分かれます。(この他にも冬虫夏草のような虫に生えるやつもあります)
・木材腐朽菌
読んで字の如く、木を腐らせて(セルロースやヘミセルロースなどを分解し、養分として)生きています。スーパーで売っているキノコ全般はほとんどがこの種類です。
栽培の方法も主に2パターンあって原木栽培と菌床栽培です。地方のホームセンターなんかにいくとキノコの「コマ」と呼ばれるものが売っています。菌が回してある小さい木片です。これをキノコに応じて適当な木の丸太を用意してコマ打ちようの穴をあけます。そこにハンマー等で駒を打ち込みます。そのまま湿った日陰で2年くらい放置します。そうすると時期になれば自然に出てきます。
菌床栽培は木材のチップを使います。紅葉樹が多いでしょうかねコナラとかそういうやつです。製材所で端材をチップにしてもらってそれを何種類か混ぜてさらに添加剤(ふすまとか米糠など、菌のまわりが早くなります)を加え、袋だったりボトルだったりに詰めます。ホクトのマイタケは株の大きさが揃っているのでおそらくボトルに詰めてます。雪国まいたけはおそらく菌床栽培です。大きく育てたやつを切り分けてパック詰めしています。味と鮮度は断然雪国まいたけの方が良いと感じます。菌床栽培の難しいところは原木栽培と違って雑菌や他の真菌類、虫などで汚染されやすいことです。ですので無菌室とは言わないまでも、かなり気密性の高い部屋で育てないとダメです。私が前育てていたところは粗末な施設だったのでよくダニに食べられたりしてそこからカビが発生するなど大変でした。
キノコの発生するタイミングにはいくつかあります、温度だったり、水につけたり、土に埋めたりなどです。マイタケは土に埋めると聞いたことがあります。雪国まいたけの社長が一酸化炭素が良いみたいなことを言ってましたが、おそらくマイタケの場合は低酸素濃度がトリガーになってるのではないかと思います。シイタケの菌床栽培ではビニール袋を剥いて水につけたりします。
・腐生菌
マッシュルームなどがこれにあたります。というかマッシュルーム以外でこれやっているのはあまり聞かないですね(自然のきのこはこのタイプはわりとあります)。自然界では落ち葉なんかに生えますが、人工的に作るときは堆肥から作ります。ですから牧場で作られることもあります。ヨーロッパでキノコといえば日本で言うところのマッシュルームですから牧畜と密接に絡んでいるのでしょう。
・菌根菌
世界の高級きのこといわれている物は全てこの部類に分類されます。マツタケ、トリュフ、ポルチーニなどが有名です。その他、アミタケやジコボウ、タマゴタケなんて言う美味しいきのこもその類です。皆さんがキノコといえばこれと言うベニテングタケもこの種類です。ベニテングタケは食べると幻覚が見えるといわれてます。山に行けばわりと簡単に見つけられます。マリオもラリってデカくなってしまったのでしょうか。
この菌根菌は人口で栽培できないのです。菌根菌は木の生きた根と共生しているからなのです。菌床に植えてみても菌が回るのが超絶遅いし、きのこにするトリガーがよく分かってないです。今のところ生きた木に菌を回すしかありません。そういえば例外がありました。ホンシメジです。ホンシメジも菌根菌なのですが、菌床でも育ち、きのこになる株が見つかっており、スーパーでも売っております。
マツタケ栽培は夢がありますね。昔はよくとって食べていましたが、あれって最初は臭いと感じると思います。海外ではスカンクマッシュルームと言われているくらいですからね。癖がある分なれると凄く美味しく感じます。市販されても一部の人しか買わないんじゃないかなと思います。ちなみに一番美味しいのは丸ごと天ぷらです。
少し脱線しすぎました。
雪国まいたけは2015年に一旦上場廃止になています。その時は内紛やらなんやらで大変でした。私もその時空売りを仕掛けていたのですが、逆日歩が辛くてすぐ撤退しました。空売りについてはまた別途解説いたします。
その後2020年に再上場しております。何があったのでしょうか?それでは四季報を見て行きましよう。
2019年 約480億
2022年 約470億
横ばいですね。
利益剰余金約160億に対して有利子負債約190億円
ちょっと多めでしょうか。前上場していた時よりはかなり改善されています。外部の指導が入っているのでしょうか?
2022年7月22日の終値は953円です。最近の業績から一株当たりの利益はだいたい100円くらいでしょうか。PERは約9、PBRは約3といったところですね。PBRがちょっと高いですね。業績が少しても落ちたら割高になってしまいます。
ビジネスモデル的にも競争が激しく、過去のゴタゴタを含め、株価を総合判断するとちょっと厳しいかなと思います。