先週は波乱の1週間でした。1週間で2回も四暗刻あがりました。そっちじゃないですよね。
ポジションを調整した理由について書いていきます。
シリコンバレー銀行もクレディスイスもFRBやスイス中央銀行の介入によって一旦は落ち着きを取り戻したように見えます。
しかし根本的な問題はなんら解決されていません。一番の問題は優良な借り手不足です。世界経済はある程度成熟してきており、新たな産業が(すぐには)生まれにくい状態になっております。もう一つは資金調達の方法の変化です。優良企業は内部留保の範囲で投資を行いますし、スタートアップ企業についてもクラウドファンディングを利用するなど資金調達の選択肢が増えております。
銀行の役目は終わったのです。シリコンバレー銀行に残されたのは預金という機能とサラ金に近い日銭貸しだけでした。
比較的需要の多いIT企業が集まるシリコンバレーでこの状態なのですから他の地域は推してしるべしです。つまり、預金機能だけ使っているユーザーは、破綻の恐れがあり、政府の補償もあるかないかわからない地銀に預けておくメリットはほとんどなく大手銀行に資金を移動するでしょう。今回は利上げ云々の話でしたが、今後は銀行からの資金引き上げに伴う業務不成立が原因となる倒産が発生します。それがまだ続くと思います。しかし、それは後数行だと思います。その後は大手銀行が地銀の預金を飲み込む形でM &A合戦が繰り広げられると思います。それでも取り残された銀行は破綻するか二束三文で売られるでしょう。
これはアメリカに限ったことではなく日本も同じ状況です。日本の場合はもっと深刻な気がします。都市と地方の格差がひどいです。ヨーカ堂や、パルコ等の小売業も縮小し、新たな産業もあまり生まれていません。街全体が小さくなって来ているように思います。そんな中で地銀の果たすべき役割があまり感じられません。こちらも統廃合が加速するでしょう。今の地銀は大手銀行の1支店になり、規模も小さくなるというのが見通しです。もし、地銀に投資するなら大手銀行から買ってもらえそうな良い産業がありそうな地域の銀行が良いと思います。
アメリカのコロナ給付金が夏頃に無くなりそうだという話は前にしました。加えて今、アメリカは上院民主党、下院共和党のねじれ状態です。おそらく10月頃には債務上限引き上げに関する攻防戦が始まると思います。2024年は選挙があるので共和党もそこまで激しく抵抗はしないかも知れませんが、債務上限を認めるにはそれなりの大義が必要です。そう簡単に通してくれないような気がします。今年の秋は色んな意味で正念場です。