先々週は恒大集団のドル建て債権のデフォルトがあった件で少しポジションを減らしておりました。今のところ影響は限定的のようです。今後の世界経済について気をつけていくべきことについて少しお話ししておきます。
中国の不動産関係のデフォルトは今後も続くでしょう。その影響が中国に収まっている分には問題ありません。私が一番気にしているのはCDSがどの程度ばら撒かれているのかわからない点です。CDSとは債権等がデフォルトしたときの保険のようなもので、今後企業等の連鎖破綻が起きたときにこれらが一気に支払われることになります。そうなると一番影響を受けるのはドイツ銀行でしょう。次の危機があるとしたら中国でもアメリカでもなくドイツです。CDSという単語を頭の片隅に置いておいてください。
アメリカのFRBの利上げによって景気減速が起こり、リッセッション入りすると言われていますがそれは少し違います。それはなぜかというとFRBが利上げすることによって企業の資金調達がとどこおるというのがその理由ですが、そうはなってません。
なぜか
それはコロナ対策で600兆円ばら撒いたからです。リーマンショックでも74兆円程度しか注入してなかったのです。この異常さがわかりますか?私から前から主張しておりますが、コロナ騒動を扇動した面々の真の目的は債権危機を救うための口実づくりだった可能性があるということです。
600兆円ばら撒いているわけですからちょっとやそっと利上げしても資金は十分に市場に出回っているのです。加えて現在アメリカを牽引しているIT産業はオフィスも要らないし工場も要らないのです。資金も銀行ではなく市場から調達できます。なのでリセッションが起きていないのです。
しかし、ここからは確実にリセッションが起きていきます。その発端となるのは相次ぐ低所得者層のローン破綻です。市場には大量にお金があるのですが、個人はそうでもありません。コロナで撒かれた補助金(コロナ貯金)がなくなってきており教育ローン(日本の奨学金とは比べ物にならない額)の支払い再開です。アメリカは借金文化ですからそのほか住宅ローンや車のローンを抱えています。このタイミングで利上げがあり、中国の経済危機で中国が米国債を売ればさらに金利が上がっていきます。アメリカの貧困層から静かな破綻が起きてきます。それがある程度貯まる頃(直感的にはあと1年くらいかかると思う)にさらに上位の小さい銀行の破綻が始まると予測してます。その後本当の危機なるのかはわかりませんが、最終的には公的資金が使われることになります。
リーマショック以降、経済危機に対してQE(量的緩和)という手法がとられるようになりました。つまり、経済危機の起き方はリーマンショックの前と後では違うのです。
つまり、経済危機になるほど量的緩和(お金をばら撒く)が実施され、通貨の価値が下がるのです。ですので私が前の記事で言った通り、一時的な混乱で株価下落局面はあると思いますが、その後は通貨の価値が下がることによる見かけの株価上昇(インフレ)が起きるのです。それもコントロール不能な。これはほぼ間違いないです。