20231203 円安、インフレ、賃金上昇、日本人が勘違いしていること

経済の流れ
円安について

日本人の悪い癖で日本が没落したから円安になっていると思っている人がいます。しかしそれは間違いです。最初に言っておきますと、円は現時点で世界最強の通貨です。

なぜか?

それは日本が世界一の外貨準備高を誇っているからです。詳しくは以前に解説しているのでみてみてください。

なんかあれば円は買われるのです。例えば震災等があれば円高になります(日本全土が被害を受けるようなものでなければ)。震災になれば復興のために円が必要になりますので、海外の資産を引き上げて円に変えるからです。
日本が貧乏だから円安という論点も的外れです。実際、民主党(日本の)時代、あんだけ経済が停滞していたにもかかわらず、円高でしたからね。
それでは円安の原因は何か?
それは金利差です。私自身は国債に金利をつけること自体反対です。特に日本においては国債に金利をつける意味がわかりません。ですので日銀のやっていることについて賛成です。お金があるだけでお金が貰えちゃうっておかしいですよね。それは金本位制の名残なのですが、誰もおかしいと思ってません。
政府に通貨発行権がないのがそもそもの闇なのです。
話を元に戻すと、日本は金利が安いので日本円を借りてドルに交換すれば見た目は儲かりますよね。レバレッジもかけられますし最高じゃないですか。これは円キャリートレードと呼ばれています。我々の使っている銀行も我々の預金を安く借りて、企業や各種ローンとして高く貸しているのでやっていることは同じです。
しかし、これが逆回転し始めたら大変です。日銀の異次元緩和で使った金額や約20兆円、アメリカがコロナ対策で使った金額が約600兆円なのです。タダでえドルの価値は薄まっているのです。なのにこの円安状態です。巻き戻しが起こったら120円くらいに突っ込むかもしれません。
これが私の円安に対する見解です。
賃金上昇について
これもみなさんが誤解しがちなのですが、日本が貧乏だからではありません。
そもそもの前提として、日本は内需の国であるということを忘れてはいけません。過去の記事に記載してますので是非ご覧ください。
つまり、海外との競争力が無くなったから賃金が上がらなくなったという理屈にはならないのです。それではなぜ賃金が上がらないのか?それは需要と供給で説明がつきます。
需要については徐々に無くなって来ていますが必ずしも悪いことではないと思います。服にしろ車にしろ高いものが良いとされた時代は完全に終わりました。娯楽にしても然りです。社会はスリムにかつ効率的に回るように変化しているのです。その中で需要が減少しているのは必然かなと思います。
それでは供給はどうなのか?ここでいう供給は労働者の供給を指します。私が小さい頃(まだ昭和だった頃)女の子の夢として結婚することというのはクラスに何人かは居ましたし、それが何の違和感もない時代でした。共働きも珍しい時代でした。現代ではあり得ない話ですよね。
現代では共働きが当たり前です。かなりの労働力が供給されているのです。さらに年金の繰上げにより65歳(今後はそれ以上)まで働かなくてはいけなくなりました。これも労働力の供給です。就職氷河期の元凶はここにあると考えています。
・男性一人が40年で働いていた時代
・男性女性が共に55年で働く時代
この変化が割と短期間に起きたのです。この2つのそれぞれの合計を比較してみればそんなに差はないのではないかと思います。これが日本が賃金が上昇していない仕組みと考えています。海外は関係ありません。
インフレについて
これも需要と供給で説明がつきます。みなさんは新興国の需要について甘くみ過ぎている感があります。新興国の需要がどれだけのものかと言いますと、例えばアメリカが100年かけて使ったコンクリートを中国は3年で消費してしまったのです。信じられますか?中国をはじめとした新興国は生産者から消費者へ変わっているのです。G7と言われる国だけで富を消費できる時代は終わったのです。その何倍という人たちが消費者になったのです。インドなどはまだ発展の余地がありますので需要の増大もあるでしょう。原料の価格上昇はある程度の上下はあるものの今後も緩やかな上昇傾向を示すものと考えています。我々のマインドも先進国としての奢りを捨てないといけません。時代は新たな局面を迎えていることを直視すべきです。
まとめ
今日は皆様が誤解してそうなところを中心に私なりの見解をまとめてみました。何か違うとかありましたら教えてください。(コメント欄ないので直接コンタクトしてください)
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