今年はこのまま無難に終わると思っていたのですが、最後に一波乱ありました。
コスモと村上ファンド
シティインデックスイレブンズ(旧村上ファンド)がコスモエネルギーホールディングスの株を20%ほど取得していました。コスモの資料を読む限りでは、シティは既存の製油所を閉鎖してそのお金で自社株買いをし用というものらしいです。短期的に利益を得て売り抜けるという意図が見え隠れします。石油会社が製油所無くなったら何を売るんだって話ですからね。これをめぐって臨時株主総会が開かられる予定でした。
岩谷産業とコスモの関係
LP(液化プロパン)ガスやLNG(天然ガス)の販売仕入、産業ガス、機械事業において取引関係にあり、2023年2月には岩谷コスモ水素ステーション合同会社、2023年11月にはコスモ岩谷水素エンジニアリング合同会社を設立するなど蜜月な関係にあります。つまり岩谷産業にとってもコスモをハゲタカファンドに食い荒らさられるのはダメージが大き過ぎるのです。
ホワイトナイトとしての岩谷産業
そこで、岩谷産業がホワイトナイトとして村上ファンドの持つ株を買い取りました。
17,400,525株を1,053億円ですから6,051円で買い取ったことになります。つまり100億円くらいのプレミアを付けて購入したことになります。しかもこの資金を全て借金で賄いました。
これを嫌気して岩谷産業の株は売られまくりました。コスモは村上がいなくなって株価下がると思いきや・・・・・・上がってます。
いずれにしろ払わなくて良いお金を払わされてしまった形になります。
メリット、デメリット
デメリットは言うまでもなく、プレミア価格100億円の無駄と株購入に使用した借金の金利約0.4%です。
メリットは何かというと、まずはコスモの筆頭株主になりましたので、コスモに対する発言権がかなり強くなりました。今後水素事業を進めていく上で大きなアドバンテージになるでしょう。
もう一つ無視できないのがコスモの配当金です。1株250円の配当としているので約43億円です。
これが決算書でどう取り扱われるかと言いますと、
まず借金は貸借対照表に計上されます。損益計算書には配当金収入(約43億円)−金利(約4億円)=39億円が計上されます。これが設備投資の借金と異なるところです。
借金したのに増益になるの?ってなると思いますが、これは近々修正が入るでしょう。
今週は村上ファンドと借金というダブルインパクトで狼狽売りがありましたが、業績修正が入れば落ち着くでしょう。個人的には借金の借り換えでいければこのまま配当金が貰えて良いのではないかと思うところですが、公募増資などされると困ります。
今回の件では売り買いしませんでした。
それでは