20240315 日銀のマイナス金利政策とは?

経済の流れ

今週の株価調整の原因となったと言われているのが、日銀のマイナス金利政策解除予測です。18日、19日の金融政策決定会合が終わるまで株価は不安定な動きを示すでしょう。マスコミでは面白おかしく取り上げて恐怖を煽ってると思いますので少しお話しします。

どんな時に金利が発生するのか?
①国債を買った時
②日銀にお金を預けた時
この2つです。①はイールドカーブコントロールとよく言われるものです。短期国債の金利を抑えて長期間になればなるほど金利が高くなるように買い入れを調節しながらグラフのカーブをコントロールすることです。今回の予測ではこちらに手をつけるわけではありませんが、こちらをいじるとなると結構な問題になります。
なぜか?
もしあなたが配当3%の株を持っていたとして、10年国債の利回りが年利4%だったらどうしますか?株を持って入れば会社が成長し3%以上の利益を生むかもしれませんが、逆に会社の業績が悪くなることも考えられます。それだったらほぼノーリスクで4%もらえる国債を買った方が良いですよね。国が破綻するリスクがという人がいますが、1企業が潰れる確率と比較して発生する確率は高いでしょうか?ですので国債の利回りというのは注視していく必要があります。個人的には国債に金利など付ける必要はないと考えています。必要な分だけ通貨を発行すれば良いのです。他の国ではそうはいかないので金利をつける必要があります。例えばドルで借金しているのにドルを発行できなければ、返すときに多くドルを返してもらわないと貸しませんよね。
話がそれましたが本題の②を説明したいと思います。
2016年1月29日「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入
話は2016年まで遡ります。
この時も大騒ぎしてマイナス金利という言葉だけがセンセーショナルに取り上げられたと思います。
原文はこれです。
日本銀行当座預金を3段階の階層構造に分割し、それぞれの階層に応じてプラス金利、ゼロ金利、マイナス金利を適用する。
とあります。当座預金というのは銀行が日銀に預ける時の金利です。
3段階の階層構造とは何か?
①基礎残高
2015年1月〜12月までの平均残高です。つまり2015年に既に預けてた分の金利は+0.1%で保護され続けていたのです。
②マクロ加算残高
基礎残高以外に全てマイナス金利をかけるのは乱暴なので震災の復興資金や基礎だ残高に一定の率をかけた額をマクロ加算残高として金利0%としました。この枠は銀行が損しすぎないように見直される部分です。
③政策金利残高
日銀に預けているお金のうち、①、②以外の部分になります。これが金利-0.1%マイナス金利と呼ばれています。つまり、新しく日銀に預けないで市場で回してねってことです。
2016年当時、当座預金は260兆円でした。③に該当するのはいくらだったでしょうか?
たった10兆円です。やる意味あるのって思いますよね。
今回このマイナス金利を解除すると言っているのです。
個人的にはマイナス金利を解除すると同時に基礎残高の金利も撤廃しちゃえば良いのにって思います。預けておくだけで増えるというのは不健全な気がします。
まとめ
今回の日銀の政策金融政策決定会合でどんな結果になっても実際の影響はほとんどないと言えます。しかし、マイナス金利解除というワードだけが一人歩きしたり、今後日銀のETF買いや国債の買い入れの縮小を連想させるようなことがあれば市場は敏感に反応するでしょう。日銀も本格的な金融緩和解除に向けて市場の反応を見る目的で今回の話題を出していると思います。12日に大きく下げたのを見ているはずなのでそれを踏まえた上での決定であるということを重く考えた方が良いと思います。18日、19日は要チェックです。
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