20240319 金融政策決定会合の結果(速報)

経済の流れ

ついに金融政策決定会合の結果が出ました。
バイアスをかけずにお話ししたいと思います。

原文はこれです。

紙をPDFにしてるんだーって思いました。それはさておいて今回の要旨が別紙にまとめられていたのでそれをもとに解説します。
クリックした先の資料です。
水色の枠が3つあると思いますこれが主な3点です。
短期金利(無担保コールO/N物)
O/N=オーバーナイトなのでこれは1日の金利を意味しています。短期国債ではありません。
ここで前回お話ししたマイナス金利の話が出てきます。
軽くおさらいすると、銀行が、日銀に預ける時のお金の利息を3段階(+0.1%、0%、−0.1%)に分けるという話でした。これを0.1%で管理すると言ってます。
どういうことが起きるかというと、市場で流通するお金を日銀に預けると利息がもらえるわけですから、銀行は日銀に預けます。銀行は常に現金をふんだんに持っているわけではないので銀行間でお金を融通し合います。その時の金利が上がるのです。そうすると、銀行から貸し出す金利も上がります。ローン金利なんかも若干上がると思います。(上がっても0.1%程度ですけど)
これが1点目です。
長期金利
これが国債の金利に影響します。勘違いしそうなところなのですが、国債の人気が上がると金利が上がるイメージがあると思いますが、これは逆で人気がない国債の方が金利が高くなるのです。
わかりやすく言うと100万円の債権があったとして10年後に110万円になるとします。もし、経済破綻しそうな国がこの債権を発行していたとして100万円で買いますか?と言うはなしです。買い手がつかなければ80万円とかになるでしょう。しかし、満期が来れば110万円帰ってくるので金利が上がったことになります。
これと逆のことを日銀はやってます。つまり国債を片っ端から買って金利をコントロールしているのです。ここは現状維持と言っているので問題ないでしょう。
ETF・J-REIT新規買い入れ中止
これは結構歴史的な転換点になると思います。2013年のアベノミクス以降、日銀はETFとJ-REITを買いまくりました。簡単に言うと日本株と不動産の丸ごと買いのようなもので、日経平均4万円の大きな立役者でした。つまりこのバブル期の高値を抜いたことで、日銀の役目は終わったと判断したと言うことでしょう。
実際今年に入って一回も買われていません。
去年も少ししか買われていません。
リンクを見ていただければわかると思います。
そのほかの年度も見たい場合は日銀のHPからダウンロードできます。
正確には計算できませんがざっくり40兆買って30兆くらいもうかっていると言った感じだと思います。
日銀のおかげでここまで上昇したと言うのもありますが、それなりに弊害もあります。
値嵩株ばかり買われてしまったことです。具体的にはユニクロ、ファナック、ソフトバンクなどです。これらは実力以上に買われてしまっているので早晩修正が入るでしょう。
とは言うものの日銀が売ってくるわけではないので現状維持と言ったところでしょうか。
もう一つ、日銀の買いを誘導するような外資の先物の仕掛けも減るでしょう。
まとめ
金利への影響は軽微、日銀の国内株式からの撤退(現状維持)と言ったところが主な趣旨でした。これからは中東マネーやNISAマネーなど新たな買い手が市場の主役となることでしょう。
新たなステージへの突入です。
個人的には感慨深い発表でした。
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