先週は久しぶりに面白い1週間でしたね。
少し振り返ってみて今後の戦略を見直してみます。
株と国債
本題に入る前に、関税戦争の背後にあるもう一つの債権戦争を理解する上で重要なポイントを振り返っておきましょう。
一般的に、国債は株式に比べて安全性の高い投資先と見なされます。例えば、国債の金利が5%である一方、株式の配当が3%だったとしましょう。株式には売却益という魅力もありますが、リスクを取らずに5%の利回りを得られる国債を好む投資家も少なくありません。
かつて、銀行などは顧客から預かった資金を長期国債に投資し、その収益の一部を顧客に還元するというビジネスモデルを確立していました。
しかし、昨年、日本銀行は国債のイールドカーブ・コントロールを縮小する方針を示しました。これまで日銀の国債買い入れによって成り立っていた銀行のビジネスモデルは変容を迫られ、国債で運用されていた資金の一部が株式市場に流れ込みました。この動きに、日銀による指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れが加わることで、日経平均株価は4万円という節目を達成したのです。
このように、債券市場の動向は株式市場の価格形成に密接な影響を与えるのです。
待ったなしの米国債問題
一昨日の投稿内容を再掲します。
ブルッキングス研究所のデータを少し引用します。

アメリカの債務は30兆ドルあります。1ドル150円とすると4500兆円です。
これを見るとリーマンショックとコロナショックの2回で急激に増えていることがわかります。

返済期間の平均は70ヶ月になってますので単純に年700兆円くらい借り換えないといけません。
ですから金利を上げたくないのです。
トランプの真の狙いは株から米国債への資金シフト
もちろん、米国の貿易赤字を減らしたいというのも目的でしょう。これはレーガンがやってきたのと同じです。
しかし、今回はもう一つの狙いがあります。米国株を意図的に売らせて米国債を買わせるものです。
静かな報復
これまでの流れ
- 2月1日: トランプ大統領が、カナダとメキシコからの輸入品に25%の関税、中国からの輸入品に10%の追加関税を課す大統領令を発令し、2月4日から発効すると発表しました。
- 2月10日: トランプ大統領が、米国が輸入する鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税を課す大統領令に署名しました。
- 3月4日: カナダとメキシコに対する追加関税の発動が延期されました。同日、中国産品に対する追加関税10%が発動されました。
- 4月2日: トランプ大統領が「相互関税による輸入制限により、米国の巨額かつ恒常的な財貿易赤字に寄与する貿易慣行を是正する」と題する大統領令を発表し、世界共通関税と相互関税を課す方針を示しました。
- 4月9日: トランプ大統領は、中国を除く多数の国に対して、相互関税の適用を90日間停止し、ベースライン関税の10%を適用すると発表しました。一方で、中国に対しては相互関税率を125%に引き上げると表明しました。
- 4月10日: 中国が米国への報復措置として、追加関税を84%に引き上げると発表しました。

Yahoo!ファイナンスで表示した米国債金利のチャート
これを見ると4月2日の発表を受けて4月4日から金利が上がっている(米国債が売られている)のがわかると思います。
そこで慌てて9日に90日間の関税停止することにしたんです。国債が売られてて大変ってことはこの時トランプも発言してしてましたし、本当に90日間の関税停止をするつもりだったら発動する前にやってたでしょう。
誰が売ったのか?はっきりしたデータがないので確かなことは言えませんが、世界最大のヘッジファンド我らが農中と言われてます。関税停止発表後のトランプの日本の扱いを見ると本当かもって思います。これまで日本を足蹴にしてきたのに突然名指しで日本は交渉の最前列にいるっておかしいでしょ。最前列にいるべきは中国です。
農中がトランプを動かした?言い過ぎですかね。
経済よりメンツの中国
中国は実は経済は二の次です。大事なのは面子であり政治なのです。最近でも不自然な時期の上海のロックダウンで上海を潰しました。
アメリカがどんなに脅しても響かないのが中国です。
行くも地獄ひくも地獄のトランプ
このように八方塞がりになってしまっているトランプですがもう、後には引けません。ある程度関税を引き上げざるを得ないでしょう。
そうすれば実需として米国債が売られます。アメリカで儲ければその金で米国債を買おうってなりますが、儲けられないのであれば買う必要がないですからね。
次の危機(チャンス)は債権クラッシュ
このままいけば米国債はクラッシュする可能性があります。そうしたらFRBが米国債を買うしかありません。
つまりQE5(金融政策における量的緩和第5弾 )です。
そうすれば債権から再び株にお金が戻るでしょう。
これを実施するには誰かに悪者になってもらわないといけません。
そうです。中国です。
どうなるかわかりませんが、私が今のところイメージしているのはこんなところです。
もしQE5が発動されればそこは天与の買い場と思ってください。
それではまた。良い週末を
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