今日は雨で釣りに行けないので魚の保管方法についてお話ししたいと思います。
結論から言ってしまうと釣ったらすぐ氷入りの海水に入れるべきです。
イメージとしてはこんな感じです。よく、釣った後にバケツに入れて、死んでもそのまま何時間も置いておく人がいますがものすごく劣化します。血抜きしたければしても良いですが、アジなんかはボコボコ釣れるのでそんなことしてる暇ありません。とにかく1分1秒でも早く海水氷に入れるべきです。
普段から海水氷に入れている人でも、どのくらいの差があるのかってことはあまり意識したことないと思います。
水は0℃で凍ります。つまり、氷は0℃以下です。真水だと0℃以下にならないのですが、氷を入れた海水だと-1℃くらいになります。それは、アイスを作るときに氷に塩を入れると思いますが、塩に氷をかけても温度が下がるわけではなくて、塩水が凝固点降下によって0℃以下になることを利用しています。それで満遍なく冷えるのです。
参考にした資料
それでは、冷蔵庫を5℃、常温を20℃とするとどのくらい差があるのかということを考えてみたいと思います。
魚の劣化が普通の化学反応と仮定し、アレニウスの式に当てはめて計算してみます。
参考にした資料
①氷を入れた海水(−1℃)と冷蔵庫(5℃)の比較
=EXP(92466.4/8.3144621*(1/(−1+273)-1/(5+273))=約2.4倍
②氷を入れた海水(−1℃)と常温(20℃)の比較
=EXP(92466.4/8.3144621*(1/(−1+273)-1/(20+273))=約19倍
となります。
例えば夕まずめで釣ってから1時間バケツに入れておいてそのまま、クーラーボックス(5℃とする)に入れて持って帰ってきて冷蔵庫保管(23時間)しておき、食べるとします。
これは1日おいただけで、意外とありがちなパターンですが、これは氷を入れた海水で計算すると(1*19+23*2.4)/24=約3.1日となります。
意外と差がありますよね。よく3日熟成とか1週間熟成とかありますが、保管条件が超重要です。
海水を入れた氷につけとけは3日4日は余裕です。
ですから釣ったらすぐに氷を入れた海水に入れる。できれば帰ってからも冷蔵庫に入れず(チルドみたいな高性能の冷蔵庫があれば別)クーラーに入れっぱなしでの氷を取り替える方が劣化しないと思います(内臓は消化酵素があるのでとったほうが良いかもですが、−1℃ですので急激に酵素反応が進むとも考えられないので気にしなくても良いかもです。アニサキスがいそうなやつはすぐ取り除いておいた方が良いです)
もう一つ気にした方が良いことは水分です。人間も魚も細胞の塩分濃度は約1%ですので真水で保管すると水が浸透してしまってぶよぶよになります。魚を捌く時なんかもそれは気をつけた方が良いです。
海水は約3.4%ですので魚が死ねば、海水で保管していると水分が抜けてしょっぱくなるはずです。皮をとってるわけはないのでそんなに急激に塩っぱくはならないし、塩っぱくなったほうが美味しいこともあるかもしれませんが、釣ったまんまの状態を維持したいのであれば、家に帰ってから水気を拭いて改めてジップロックに入れたものを再び氷を入れた海水に入れるのが良いと思います。
最後に血抜きについてですが、血抜きをすると味に影響(若干、わからない人はわからない)しますが、結局血もタンパク質なので腐敗のスピードに影響はありません。ですから魚を長持ちさせるなら即塩氷水なのです。血抜きをしたいなら急いでやってください。
どうですか?
少しモヤモヤが晴れましたでしょうか?
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