20240817 利上げの基礎とその影響について

経済の流れ

今回の8月の暴落の引き金となった「利上げ」について少しお話しします。

金利を知ることの重要性
金利が高いと株が売られる
まず、このブログを読んでいる人は株式投資していると思います。株で儲けるには株自体の価格が上がるか、配当金をもらうかの2つになります。
高配当銘柄が人気なように配当金というのは(世間では)重要視されています。
例えばある銘柄の配当利回りが2%だったとします。国債の金利が2%だったらどうしますか?
株は上がるかもしれませんが、下がることもあります。ほぼノーリスクで2%もらえるとしたらどうでしょうか?国債を買いますよね。バフェットも常に金利をチェックしています。
国債だって安全じゃないっていう人もいるかもしれませんが、日本は50年後もあると思いますが、50年確実に存続し、かつ安定的に利益を出せる企業って日本にいくつあるでしょう?
ちなみにアメリカの2年国債はなんと年利4%もあるんです。これならリスクを冒さなくて良いと考えますよね。
国間の金利差による為替変動(円キャリートレード)
これが今回悪さをしているのですが、円の金利とドルの金利差が生じた場合、まず円を借りてそれをすぐドルにかえてドルで運用します。金利差があるので両替するだけでもう買ってしまいます。今回の日銀の利上げで日米の金利差がなくなるんじゃないかという思惑からこれが逆回転しましたが、そう簡単に日米の金利差は逆転しません。ですので円キャリートレードはしばらく継続します。
そもそも金利(イールド)とは?
金利には短期金利長期金利の2種類あります。
短期金利とは政策金利と呼ばれているもので銀行が日銀に預けた時(当座預金)にもらえる金利です。まずこの金利が3月にマイナス金利が解除され0.1%になりました。今回7月の会合で0.5%に引き上げられました。銀行間の日銭(無担保コールレート)については0.25%にすると言ってます。
短期金利には当座預金と超短期の無担保コールレート(オーバーナイト物)があります。
長期金利とは国債の金利のことです。
国債は発行する際に金利をつけます。これを表面金利と言います。株で言ったら発行額みたいなもんです。その後国債に人気が出れば金利は下がりますし、逆に買い手が付かなければ金利は上がります。
ここで質問です。
現在流通している国債の最長期限はどの程度でしょうか?
答え
40年です。
国債の金利については財務省のHPで確認できます。
直近のデータは以下のとおりです。
当たり前の話ですが、利率(イールド)が長期になるにつれて上がってます。これをグラフにしたのがイールドカーブです。これが不景気になると資金の流動性が低下し、短期国債が長期国債を上回ってしまうことがあります。
これがアメリカで問題となっている逆イールドと呼ばれいてる状態です。
今回の会合で短期金利を0.5%に引き上げましたし、国債の買い入れも縮小するので底上げされると思います。
せっかくなのでバブル崩壊の時の金利を見てみます。
1年国債が6%!!しかも逆イールド
そりゃ銀行は個人からお金を集め6%もらって個人に数%還元すれば利鞘を稼げるので美味しい状態ですよね。データを見てみると今の低金利状態がいかに異常かわかります。
さらに遡ると10%なんて時代もあったんです。これならお金持っているだけでお金が増えます。そりゃ好景気になりますよ。
日米金利差
円キャリートレードを考える上でこれは重要です。
今回の株価暴落を受けて、日銀はこれ以上の利上げは当分できないでしょう。それではアメリカの利下げでどこまで日米金利差が縮まるでしょうか?
現在の金利を見てみます。(だいたいなので多少の誤差はあります)
日本
短期金利=0.5%
1年国債=0.25%
10年国債=0.88%
アメリカ
短期金利=5.5%
1年国債=4.5%
10年国債=3.9%
*逆イールド
確証はないですが、アメリカは0.25%の利下げを何回かやって金利を下げてくると思います。
逆イールド解消を鑑みると2%くらいがしっくりくるかなと思います。
日米金利差が逆転することはまずないと思いますが、FRBと日銀の動向は常に確認しておく必要があります。
今日はこの辺で
タイトルとURLをコピーしました