みなさんバブル経済というと、泡のように儚く消えるものから来ていると思ってませんか?バブルの語源は「南海泡沫事件」に由来しています。
南海泡沫事件とは
1700年頃、イギリスに南海会社というスペインとの奴隷貿易会社がありました。スペインとの仲が悪くなったこともあり、この会社の業績はよくなかったのです。そして金融業に転換しました。
ここで転機が訪れます。イギリス国債と南海会社株の時価での等価交換です。そして交換した分の南海会社の株を新たに発行できます。
普通に考えたらそんなのいってこいですし、新たに発行した株が売れるとも限りません。しかし、この時空前の投機ブームだったためこのサイクルが上手いこと回り始めます。南海会社は手にした現金をもとにどんどん投資して利益を出していきます。
そうして世間の投機熱はさらに増していきます。無許可で株式を発行する会社も現れました。それはひどいもので「大いに利益になるのだが、それが何であるか誰も知らない会社」「水銀を純金属へ変換する会社」など余りにお粗末です。しかしこんな会社でも買ってしまうのがバブルですよね。
こんな状況を見兼ねた政府は無許可の株式の発行の規制に乗り出します。
それが「泡沫会社禁止法」(バブルアクト法)です。これこそがバブルの語源です。ちなみに南海会社は泡沫会社の方じゃありません。この法律が発行されるや否や泡沫会社はもとより、南海会社の株価も暴落していきます。バブル崩壊です。
この事件になぞらえて、実態のない経済活動に投資することをバブルが発生すると言うようになりました。
日本のバブルは1980年代から始まり1990年代初頭にピークを迎えます。株価で言えば1989年12月 29日に、日経平均株価は史上最高値3万8915円を記録します。しかしその後はみなさんご存知の通り長期低迷をし、2008年のリーマンショックでは10月28日に6994円まで売り込まれました。約5分1ですよ恐ろしいですよね。
いくら日本がかつての輝きを失ったからといってそれは無いなって思いますよね。バブル崩壊の原因としてよく語られるのが1990年(平成2年)3月27日の「不動産融資総量規制」です。土地を買うのに銀行が貸し出す総量を規制したのです。確かにこれがきっかけになった事は間違いありませんが、あくまできっかけであり、犯人は別にいます。それは株式の持ち合いの解消です。今でこそ日本の株は外資が勝っているなどと言われていますが、当時は株式の約7割がこの持ちあいだったのです。つまり、会社同士もしくは銀行が株を持ってたのです。これらは簡単に売買されれることのない株ですので、株の需給がものすごく絞られていたことになります。
現在日銀がものすごい勢いで市場から株を買い占めていますし、個人投資家も年金もこぞって買っています。それでもまだ届かないのです。つまり、この持ち合いの解消の威力がどれだけ凄かったかと言うのがわかると思います。
今の株価はそれなりに高い水準にあります。もちろんリーマンショックのようなことがあれば急落しますし、実際コロナショックでは急落しました。しかし、マクロな視点で考えた時、実体経済より株全体に影響を与えるのは受給です。日銀がこれから買い続けるか分かりませんが、少なくとも売りに出す事はないでしょう。年金(個人、機構含む)も株で運用せざるを得ないでしょう。銀行も貸出先がないので株で運用せざるを得ません。かつてと違っってどこにでも投資先がある状況ではないのです。ですので、一時的な急落はあるとしても、今後株価は上がらざるを得ないのです。
インフレで経済が悪化して株価がみたいな事が言われてますが、株ってインフレ対策で買うのではなかったでしたっけ?
最近釣りばっかり上げてたので少し長めに書きました。
それでは。