✦ CONTENTS ✦
🀄 麻雀ができなくなった日
CHAPTER Index | ICDと麻雀の別れ・空いた時間の穴・ジャンタマという代替とその限界
倒れてから、私の生活から麻雀が消えました。理由は単純で、雀卓の周辺に発生する磁場のようなものが、体に入っているICDを誤作動させてしまうからです。医学的な制約なので仕方がないと分かってはいるものの、それまでの私は空いている時間のほとんどを麻雀に費やしていた人間でしたから、その穴を埋めるものがなかなか見つかりませんでした。そこで手を出したのが雀魂というオンライン麻雀アプリです。可愛らしいキャラクターが登場する見た目とは裏腹に、実際に触ってみるとかなりストレスの溜まるゲームでした。麻雀というのはトップを取りにいくゲームのはずなのですが、雀魂のシステムはラスに対するペナルティが極端に重く設計されていて、結果として「トップを取る」よりも「ラスを引かない」ことばかりを考えさせられるゲームになってしまっているのです。これが本当につまらなく感じられました。加えて対戦相手の民度もあまり良いとは言えず、次第にイライラが募っていき、ついにはアプリそのものをスマートフォンから削除してしまいました。
🎰 スロットに明け暮れた時給500円の日々
CHAPTER Index | 元旦は戸田のボートレース・35歳で出会ったスロット・時給換算で見えた虚しさ
私自身、ギャンブル依存症と言われればそうなのかもしれません。ただ厄介なことに、ギャンブルにあまり負けないのです。株はもちろん、他の勝負事もそれなりに強い方でした。常にギャンブルをやってないとダメな性格で、元旦は戸田のボートレースに行くのが恒例だったりとかそんな生活でした。ボートレースは出走が6艇しかないため比較的当たりやすく、その分独特の中毒性があります。それに客層もかなり独特で、どこか荒くれ者めいた、普段どこにいるのか分からないような人たちが多く、一般人を寄せ付けないような独特のオーラが漂っています。スロットもやってた時期があって、こちらは35歳頃という比較的遅咲きの出会いでした。職場の先輩がスロット好きで、最初は付き合いで会社帰りに一緒にホールへ通うようになったのがきっかけです。家から車で10分ほどのホールでカードを作り、真面目な性格もあって毎日のように通っていました。先輩は下手ですぐに負けてしまい、そのうち誘っても来なくなりましたが、私は最初につぎ込んだ3万円ほどを除けば、あとはカードに貯まったメダルの範囲でやりくりできるくらいには勝てていました。半年ほど真剣に打ち続けた結果、カードの中には40万円分ほどのメダルが貯まっていましたが、時給に換算すると実質500円程度にしかならないという事実に気づき、なんとも馬鹿らしく感じてしまいました。演出にしても毎日通っていれば一通り見尽くしてしまい、どんだけ勝っても20万円程度で株に比べるとなんのドキドキも起こらず、自然と足が遠のいていきました。今ではよほど暇なときにたまに打つ程度です。
🎲 初めての海外、初めてのカジノ ― シンガポール
CHAPTER Index | マリーナ・ベイ・サンズと格安旅行・後輩とピンゾロ事件・桁違いの富裕層
私が初めて訪れた海外はシンガポールで、目的はカジノでした。宿泊先はビルの屋上に有名なインフィニティプールを備えたマリーナ・ベイ・サンズで、当時は2、3泊と航空券を合わせても11万円ほどという、今では考えられないくらいの安さでした。このホテルの地下にカジノがあり、日本のパチンコなどとは違ってどこか晴れの日のような特別感があるのが印象的でした。ちまちまと賭けているという感覚がなく、後輩たちと訪れたのも良い思い出です。計画性のない後輩の一人は初日でほとんどの資金を使い果たしてしまい、その晩に予定していた夜のナイトサファリのような施設に行く話も「そんな動物なんか見たくない」と言い出す始末でした。その後輩に10万円ほど貸したところ、大小というサイコロの目の大きい小さいを当てるゲームに全額を一点賭けしてしまい、出た目がまさかのピンゾロ、つまり1が3つ揃うという目で、一瞬にして全てを失ってしまいました。あまりの出来事に笑ってしまうほどで、その後輩はしばらく立ち上がれなくなり、みんなで抱えるようにしてホテルへ戻ったのを覚えています。シンガポールには本当にお金持ちが多く、ベイサンズのカジノといえば大王製紙の井川氏の逸話でも知られていますが、我々のような一般客のテーブルであっても、ルーレットで1枚1000円、2000円程度を賭けている自分たちの隣で、よく分からない中国人の客がきらびやかな、単位すら分からないようなチップを無造作に投げ入れてくる光景に、こういう世界もあるのかと驚かされました。シンガポールにはもう一箇所、セントーサ島にもカジノがあり、そちらにも足を運びました。初めての海外、初めてのカジノということもあって、当時は純粋に楽しむことができましたが、今は物価がすっかり上がってしまったシンガポールで、あの頃と同じように楽しめるかどうかは分かりません。
🚬 ベトナムの小さなカジノと太っ腹な一幕
CHAPTER Index | ヒルトン近くの小規模カジノ・無料のタバコ・投資家の集いへの誘い
ベトナムを訪れた際にもカジノに立ち寄りました。有名なヒルトン系のホテルの中にあるカジノでしたが、正直なところシンガポールと比べるとかなり簡素な作りで、内容も実質的にはビデオゲームに近く、日本の裏カジノに雰囲気が近いものでした。派手な盛り上がりはないものの、ちょこちょこと気軽に楽しめる感じで、ある時タバコが欲しいと店員に伝えたところ、無料でもらえるという出来事がありました。カジノでお金を落としてくれればそれでいい、という太っ腹な考え方が垣間見えて印象に残っています。同じ滞在中、たまたま宿泊先のヒルトンで投資家の集まりが開かれており、こちらは観光目的でまったく関係のない立場だったのですが、参加してみないかと声をかけられました。行けば何か新しい繋がりが生まれたかもしれないと思いつつ、その時は結局参加しませんでした。
📉 日本にカジノはいらない、という話
CHAPTER Index | IR構想への違和感・すでに飽和したギャンブル環境・株というギャンブル性と引き際
日本でカジノが流行るかどうかという話をよく耳にしますが、個人的には今のスロットの延長線上にあるような、なけなしのお金を握りしめて打つような貧乏くさいカジノであれば、むしろ出来ない方がいいと思っています。それはそれで日本らしいと言えば日本らしいのですが、どこか違うと感じてしまうのです。ギャンブルというのは文化そのものであって、日本にはすでに競馬も宝くじもパチンコもありますし、麻雀のことは一旦置いておくとしても、株やFXまで含めれば、わざわざ国内に新しくカジノを作らなくても十分すぎるほどギャンブルの選択肢が揃っています。駅前にパチンコ店が立ち並び、場外馬券場まであるような国は他に類を見ないほど異常だとすら思います。カジノは海外旅行に行った時のお楽しみ程度で十分ではないかというのが正直な感覚です。話を戻すと、株にもある程度のギャンブル性はあると私は思っています。だからこそ、若いうちから少しずつ場数を踏んでギャンブルへの耐性、つまり打たれ強さのようなものを養っておいた方がいいのではないでしょうか。ある程度の年齢になってからまとまった金額を初めて相場に突っ込むというのは、それこそ立派なギャンブルです。私自身、株で苦しい局面を経験することがありますから、ギャンブルに不慣れな状態でそれをやるのはかなり厳しいはずです。そしてギャンブルにおいて何より大切なのは引き際です。麻雀もスロットも、熱くなってしまった時点で終わりなのです。いかに引けるか、ここに尽きると思います。

